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2011-01-31

第583夜 『悪魔を憐れむ歌』編.58 新谷の夜

デスペラードになってからのチームは激変した。
近隣の暴走族などを叩きまわった。

デスペラードにいた人数は100人にとどこうかというほどだったけど、実際に抗争に参加するのは20人前後だった。

しかし、選りすぐりの精鋭である。

いくつもの暴走族やヤンキーグループ、チンピラグループが潰されていった。


もう、その時のスウのただならぬ喧嘩っぷりはもはや“憎んでいる“というレベルだった


都内だけでなく、西玉や軍馬にまで赴いてかち合った奴らを問答無用で蹴散らした。

そして、チームはこの頃から異常に金回りが良くなっていた。

夏に遊びに行った時にはスウはハーレーにまたがっていたし松山も新しいハイラックスに乗り換えていた。

ちなみに、二人ともおそらく無免だった


なぜ?


資金源はなんだったのだろう?

おおよその見当はついていたが、俺がそれを知るのはもっと後の出来事だ。


ちなみに、一度ゾッキーとの喧嘩に参加した事がある。
そん時のエピソードを次の夜に書こうか
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2011-01-30

第582夜 『悪魔を憐れむ歌』編.57 デスペラード

ある日、ノブオから電話がかかってきた(コレクトコール)

内容は遂にスウがチームに名前をつけて結成する事となったというもんだった。

新チーム?の名前は

『デスペラード』


…日本語で“ならず者“って意味だった。


まあ、まさにピッタリな名前だった。
それまではチームは前時代の暴走族だった頃の名前を使ったりしていたのだけど、正式名称が決まったわけだ

無敵のカリスマを頭に抱いた超武闘派チーム。

デスペラードはある意味特別変わったチームだった。

この頃になるとデスペは新谷のチームとはあまり喧嘩をしなくなっていた。
さすがにスウの強さは鳴り響いていたし、友好チームなんかもできていた。
何よりも頭のスウ自体が新谷での勢力拡大とかには興味がなかった。
スウやメンバー達はチーマーには仲間意識を持っていたのもある。


そして、デスペはその存在理由に確固たるスタイルがあった。

ようするに『アイデンティティ』ってやつだ。


それは…

旧時代の不良勢力の撲滅…

つまりは暴走族、ヤンキー、チンピラ、そして…なんとヤクザなどへの徹底的な攻撃であった


そしてさらに、スウの頭の中には驚愕の計画があった。それこそがチームを結成した真意…

だけどその事はまだ、俺は勿論、チーム内の誰も知らなかった…
2011-01-30

第581夜 李キター!

きたよ

やったー


すげーダイレクトボレーだったな

優勝したよアジアチャンピオンだよ


すげーすげー言うけど、何がすげーって、在日から帰化した李がキメたのが嬉しいね

日韓両方が母国の人はたくさんいるだろうこの国で、ちゃんと自分のルーツを示しながら日本の代表として結果を出した李は『男』を上げたね!

だって、それがこの国の正しいかたちじゃないか

あー、熱い大会だったな


面白かった


おやすみ
2011-01-29

第580夜 『悪魔を憐れむ歌』編.56 魔女ヨーカ

春になって、春休みに新谷に行くとチームに一人の女の子がいた

『ヨーカ』って名前の女の子だった。

背中まであるストレートの黒髪でキャップを目深にかぶっていた。

当時、女の子だけのチームもあったので女の子のチーマーは珍しくなかったけど、彼女はどのチームにも入らずスウのチームと遊んでいた。

『DIVA~、きいて~、私ね~、こないだ~

みたいなのんびりした話し方をする子で、なんか『不思議ちゃん』みたいな子だった。

美人だったけど特に俺の好みではない


ヨーカは普段は物静かだったけど、女の子のチーマーとやり合う時は豹変した

言葉使いも

『ぁんだテメー殺すぞ

とかバリバリになって、蹴りをボクボク入れていた


倒れた相手の口に石入れて殴ったり、酒瓶で頭殴ったり…

とにかくすごかった。


ある意味、女の子同士の喧嘩ほど怖いもんはない!


どうやって止めたらいいのかまったく分からんし…

ヨーカは下手な男より強かったんじゃね?


ある日、ヨーカが新しいインディアンジュエリーをしていた。
店先で買えば30万はする高価な品だ。


俺『すげーヨーカ!オメー、それどうしたんだよ

って聞いた。

ヨーカ『いいでしょ~これね~、こないだ~、“パパ“に買ってもらったんだ~


俺『へーオメーんち金持ちなんだなぁ


とビックリした記憶がある。
しかし、よく考えたらいくらバブルの匂いが残る時代でも17歳の娘に30万もするアクセサリー買ってやる親なんていないよな(笑)


おそらく、違う“パパ“だったんだろうけどこん時は気づきもしなかった

俺もそんだけ“純“だったって事さ
2011-01-29

第579夜 『悪魔を憐れむ歌』編.55 得体の知れない不安

そんな事件がもあって、俺の高校二年生の冬はようやく幕を下ろした。


ただ、先ほどの事件のように少しずつチームが変わり始めていた。
人数はネズミ講のように増えて、知らない人間がたくさんいた。

人数が増えるとかそんな事にはまったく感心の無いスウは入る者は拒まず、去るものも追わなかった。


ただ、スウのカリスマは輝きを増した。

簡単に言えばただの『喧嘩無敗の男』ってだけだった。
下らないと言えば下らない。

だけど、その称号が許されるのは俺達の世代ではスウただ一人きりなのだ。

高校三年生になる頃には、もはやその強さは絶頂を迎えはじめたと言っても過言ではない。

俺が見た闘いなどほんのさわり、伝説の一部でしかない。
伝え聞いた事件は数え切れない。

この頃のエピソードの一つを紹介しよう。

直接見たわけではないので真実かわからないけど、俺は真実だと思う。


ある日、スウ達何人かで縦須賀の友達の所に遊びに行ったそうだ。

縦須賀は米軍のベース(基地)が有名でたくさんのアメリカ兵がいる。
中には札付きの若い不良兵もいるらしく、たまに小競り合いなんかをしていた。

そん中に通称“白ジム“というハンパなく強い奴がいた。
話しによると白ジムはかつてアマチュアボクシングのヘビー級全米チャンピオンだった男らしかった。

アマチュアボクシングとはいえボクシングのアマチュアとプロはルールが違うので単純にプロが強いとは言えない。
しかもヘビー級の全米チャンピオン程となるとプロボクシングに転向してもそのまま世界ランカーに名を連ねかねない豪傑である!


そして、まあどんな理由か知らんがいつものように喧嘩になり、スウと白ジムのタイマンと相成った。

結局、白ジムさんスウにぶっ飛ばされて白目むいてノックアウトだったそうです


最後まで本人に話しを聞く機会はなかったけれど、これが嘘か本当かは別にして、そんな噂をみんなが真実だと信じられるほど段違いの強さであったのは間違いない


ただ、俺は少しずつスウの強さに不安を覚え始めてもいた。

あまりに強い者は、ただ存在しているだけでまわりを不安にさせていくのかもしれない。


人類の歴史上、別格の強者ほど同じような運命をたどった。

すなわち


『強い者ほど殺される』

異次元の強者に対して、好意を持って接する人間ばかりではない。

対立するものの取れる最後の手段は相手の存在そのものを消してしまう事だ。
それはきっと人間が持つ恐怖に対しての自然な行動の一つなんだろうね。


いつか、そんな日がくる事がないようにと思いながらも、まだ少年だった俺には正体の分からない不安として感じただけだった。
2011-01-29

第578夜 『悪魔を憐れむ歌』編.54 ダレダオマエ?

こんなの先手必勝じゃん
もともと温厚な性質だと自分では思っているけど相手がその気なら話しは別じゃん。

俺も、こん頃は精神的にかなり追いつめられていたので、たとえメンバーじゃなくてもやっと手に入れた『居場所』だと信じていたし。


ここで引いたら行く場所はねーんだと…

だからとりあえず一発かまそうと手に持ったもんで殴りつけたのだ。

だって、威嚇しあいながら話しとかしてたら自分の勝手な想像力で相手が怖くなっちゃったりするしね(笑)

だから先手必勝。
とにかく先に殴る。
先に殴れば気が弱くてもたいてい勝てるよ

よくさ、『相手に先に手を出させてからやらないとダメ』的にいうけど、それは、ものすごーく強い人しかやらない方がよいよ。

あれこれ考えるまえに問答無用にぶん殴れば相手の方が強くてもその場はたぶん勝てます。

ただし、後日の事は責任もてないけどね!

そう、そんで話し戻すとカネコを殴りつけたわけ。

そしたらそれはトンカチだった

なぜ酒屋にトンカチがあるのか知らんが、トンカチだったのだ。

一応手加減したつもりだったけど、トンカチってすげー威力あんだね

カネコは吹っ飛んだ。

そしたらノブオが間髪入れずに蹴りまくり、松山が椅子を叩きつけた

イダが言った
『どっちが調子にのってんだ?あ?

クニも言った
『つーか、オメーこそ誰なんだよ?』


ノブオ『松山知ってるか?』

松山『知らん!』


俺『……』

俺はちょこっと殴っただけなのにカネコはズタボロになってしまった


連れの2人は蒼白になっていた。

2人はカネコを抱き起こすとすごすご出て行った。

この三人はそれからチームにくることはなかった。


仕方なかったとはいえ、チームの人間に手を出してしまったので、スウが来てから俺はスウに謝った。

スウの返事は簡単だった。



スウ『カネコ?…ダレダソレ?
2011-01-27

第577夜 こんな夜中に音楽自論.3くらい+追記

何か真夜中に目が醒めてしまった

タバコ吸いながらいろいろ考えてみた。

自分にとってはたして『音楽』とは何なのか?(笑)

小学生の時は常に『苦痛』だったや。
音楽の授業など嫌で仕方なかったし。

中高校生の頃はバンドに憧れていたのになかなかバンドなど組むことが出来なくて、やはり『苦痛』だったのかと思う。

20代の頃は、生きる糧にしようと、やはり『苦痛』でしたな。

今になって、もはや有ることが空気のようになってしまったけど、マンネリしようが何しようがやはり空気が無くなったら『苦痛』なんでしょう(笑)


自分は『音楽が無ければ生きていけない!』とか『自分にとって一番大切!』だとか口に出して言えるような人間ではないです。

音楽なんぞなくても生きていけるし、音楽なんぞなくても大切なもんは有るし、ついでに言えば音楽なんぞで世界は平和になれないし、人の心は救われません。

そう信じている人はきっと、音楽が好きなのではなく、音楽を好きな自分が好きなんでしょう。


じゃあ無くなったらどうなんだろね?

たぶん俺は生きていけるし、思うように表現出来ない苦痛からも解放されるかもしれないね

だけど行き着いた先に何があるのかは知らないまま終わるのは嫌だと思うや。

20年やってきても音楽って何なのか実はまったくわからんです
ロックが何なのかもまったくわからんです。

恐らくそれはキース・リチャーズにもはっきりとは分からない。(前に『この年になってやっとロックがなんなのかわかってきた気がする』とかいってたが…)

だけどキースは『大切なのはロックする事よりロールし続ける事』とも言っていたなぁ。

だったら、ウチらは『ロック』はしてなくても『ロール』はしてんのかもな

じゃあ、『ロック』がなんなのか分かるくらいまでは『ロール』してみようかと思いました。

寝る。

…朝、読んだらたぶん自分でも意味分からんな

おやすみ!

続きを読む

2011-01-26

第576夜 『悪魔を憐れむ歌』編.53 カネコ

冬休み中に新谷にもう一度くり出した。
俺の顔を立てて和解してくれたお礼を言いたかった。


ちなみに、この前位から以前の倉庫はアジトに使わなくなっていた。
あれはどうやら前のリーダーの家の持ち物らしくてリーダーが引退した今、申し訳ないので使わなくなったらしい。


そんでその日はちょっといかしたバーに集まる事になっていた。

俺はメンバーではないのだけど、初期のメンバー達と仲良いので普通に混ざってコーラ飲んでいた。人数が多くてよく知らないやつがたくさんいた。
チームはまた大きくなっているようだった。


一次会が終わってイダやクニやノブオや松山と近くの店に行った。
スウはいなかった。

カウンターでジュースを飲んでいたら、同じチームの俺は知らないこらが3人で入ってきた。

イダ達と軽く会話すると後ろのボックス席に座った。

松山が最近チームに入ったカネコというやつで西玉から来てるやつらだと教えてくれた。


ふーん。

って感じでジュース飲んでいたんだけど、酔っ払って声が大きいので会話の内容が聞こえてくる。
最初は他愛ない自分の武勇伝とかだったんだけど、だんだん誰かの悪口を言ってるようだった。


そしてそれは多分『俺』の事だと思われた


だけど確証はないので黙ってカウンターで飲んでいた


そしたら調子こいたカネコは立ち上がるとすぐ後ろまできてイダに話しかけた。

カネコ『なあ!イダぁ!なんかよ!チームでもねーのに、仲間面して飛び回ってるやつがデケーつらしてんのは気にいらねーよな!』


イダ『ダレダ?そんなやついんのか?』

松山『おう!そんなやついたら確かにきにいんねーよな!』

カネコ『だろ?!松山!』

クニ『んで、そりゃあ誰だよ。カネコ。』

カネコ『誰とは言わねーけど、すぐ近くにいるんじゃね?!』


一緒に来た2人もニヤニヤと俺をみているのがわかる


そーとームカついたが、スウのチームなので我慢した。

が、それでさらに調子こいたカネコは言った。


カネコ『おめーに言ってんだよ!こっち向けよ!』

と、俺の肩に手をかけた。


とりあえず近くにあった何かをつかむと、振り向きざまにそれでカネコの顔面を殴りつけてやった

2011-01-26

第575夜 熱い

延長からPKで決着とは!
さすが日韓戦

凄い試合だったや~

何より勝てて良かったけど、日本代表強いね。

韓国もさすがに強敵だったな

日本史上いちばん強かったのはトルシエの時のフランスにクショられるまでの代表だと思うけど、今のチームはそれを超える可能性を秘めてるね

今までの日本の悪いクセみたいのをどんどん覆してくれる気がする


川島は遂に男になったな!
ファンブル川口の後継者として“ファンブル川島“の称号を与えよう

次は決勝だね

おやすみ~
2011-01-25

第574夜 今日は日韓戦

もう少しでアジア杯の準決勝日韓戦が始まるね!

いやー、楽しみだや

できれば決勝で見たかったカードだけどワクワクするね!


香川、本田、長谷部、長友…良い選手が多いけど、俺は元在日韓国人で帰化した選手の李 忠成にがんばってほしいや

元母国と戦うのは心情的に複雑なもんもあるかもしれないけど、生まれ育った日本の代表としてがんばって


韓国にルーツを持つ日本人の大和魂は熱いぜ

2011-01-25

第573夜 『悪魔を憐れむ歌』編.52 終わらない冬

そして遂に2人は和解のテーブルについた。

と、言っても電話でだけどね。

途中、2人の間でかなり激しいやりとりもあったみたいだけど、2人も俺の顔を立ててくれて、なんとか和解と相成った

2人はすぐに連絡をしてきてすごく感謝してくれた。
結局、2人共メンツが立ったわけだし、話してみればお互いを『男』と認めたようだ。

最強の男を前に一歩も引かないとっちんも凄い男だ。


とっちんはこの時の事をよほど感謝したらしくて、後々まで陰で俺を助けてくれた。

地元でずいぶん嫌われてたけど、表だって俺を攻撃しようとするやつは激減した。

俺は知らなかったけど、とっちんがそういう奴らを抑えつけてくれたらしい。


スウからも感謝された。

『喧嘩や争い事はさ、やっつけるのは簡単だけど、恨み残さねーで納めるのはすげー難しいんだよ。ありがとうな』

って言われて恥ずかしくなった。

この時からスウとは少し距離が縮まった気がする。

俺なりには一つの大仕事を終えた感があったけど、この冬はまだ終わらない。


さらに事件がまっているのだった。
2011-01-25

第572夜 『悪魔を憐れむ歌』編.51 詭弁

こうして日々は無情にも過ぎていった。
が、俺は毎日のように説得に奔走した。

いいかい?皆さん、よく聞いてほしい。この『悪魔を憐れむ歌』編が始まって以来まったくかっこ良いところがない俺だが、自分自身のブログで生き恥さらしながら書いてる俺にもついに見せ場がやってきた!

よく読んでこの時の俺のかっこ良さに酔いしれるがいい


進展のない話しに業を煮やした俺は日帰りで新谷に向かった。
もちろんスウを説得するためだ。

スウに会ってとにかく説得した。電話で話せば良いと思うだろうけどこういう事は電話じゃダメだ。
自らの体を運んではじめて話し合いのテーブルにつく誠意を見せられるのだ。

もういい加減俺のしつこさにスウもウンザリしていて、かなり迷いはじめていたので、『ここぞ』という場面である説得をしたうえ、俺はスウに土下座した。

そしたらスウは困ってしまって焦っていた
スウが困るなんて見たことなかったので笑いそうになった(笑)

さらに素早く静岡に帰ると、今度はとっちんに会い、ある説得をしたうえでまた土下座して頼んだm(_ _)m

さすがのとっちんも関係ない俺に土下座までされて頼まれたので、申し訳なく思ったのか、話し合いを約束してくれた

人生で最初で最後の土下座アタックだった。

ちなみにある説得したときの言葉を教えよう。

『君らさ、“算数“できる?足し算と引き算。スウがさ、いろんな意味で100だとすんじゃん?そんで相手が90だとしたら、喧嘩してやりあったら100-90で10になっちゃうんだぜ?だけどさ、ここでちょこっと我慢して仲良くすれば100+90で190になるんだぜ!』

おそろしく『詭弁』である。
が、それもまた真実じゃないか!

で、土下座の何がカッコ良いって?

そりゃあ、分かる奴には分かるでよ
2011-01-24

第571夜 『悪魔を憐れむ歌』編.50 ひたすらに

それから毎日毎日、スウに連絡をとり話し合いで解決したいと迫った。

さらにとっちんにも一度で良いから和解の話しをしてくれと懇願した。


もう毎日考えすぎてノイローゼになりそうだったよ。

だって喧嘩になったら、たぶんニュースになってしまう程の抗争事件になりかねないから。


でも俺には本当は分かっていたんだ…

もし、東京と戦争になったら、おそらく…



静岡は…負ける。


それは個々の強さではないかもしれない。

永らく平安に均衡のとれたこの街で集団で闘いになれた奴などいない。
スウ達は常に日本の首都で、さながら全国からやってくる腕自慢の不良相手に毎日『天下一武道会』を勝ち抜いているようなもんだ。

実戦経験がまるで違う。

さらに喧嘩の仕方もまるで違う。
こっちが
『俺はどこどこのってもんだ
なんて凄んでる間にピラニアのように襲われて終わりだ。


例えて言うなら源平合戦の頃の武者が、
『我こそは~、我こそは~』

なんて言ってる間に鉄砲でバンバン撃たれてしまうのに近い


そんくれぇの差があった。
有利なのは土地勘位なもんだ。
いきなりガンガン攻められて好き放題暴れられて、闘い方に気づいた頃にはもう東京に帰っているだろう。

そしてもし、仕返しに行ったとしても、新谷の街にひしめくチーマーを全て敵にまわして勝利するなど絶対不可能だろう。

だから、絶対喧嘩にならないようにしなくちゃならない。

誤解されたくないから言うが、とっちんだってメチャクチャ強いのだ。
素手の喧嘩なら、チームでもスウ以外では負ける事はないだろう。

だけどスウと比べたら身長にして25cm体重なら50kgは違う。
そんなのいくら何でもフェアじゃない。
だけど、そのフェアじゃない事がまかり通るからこそストリートの喧嘩なのだ。


やっぱり絶対止めなきゃならない。


夢の中でも悩むほど考えたのだった。
2011-01-23

第570夜 『悪魔を憐れむ歌』編.49 弱り果てて

俺ゃあ、こん時は本当に困ってしまった

ぐずぐずしてたら戦争になるばかりか、“どっちつかずのコウモリ野郎“と思われて、下手すりゃ両方から狙われかねない

本気で困り果てた俺は友人のショウちゃんに相談しようと思った。
そう、¨真友の¨ショウちゃんだ。

さっそく富美岡公民館の広場にショウちゃんを呼んで話した。


俺『…つーわけで、ほとほと往生してるんよ。ショウちゃん、どうしたら良いと思う?』


ショウちゃん『そりゃあDIVAくん、やらにゃあいけんね!』


俺『…東京とやらなきゃならないかな


ショウちゃん『違う違う。俺らノブオのダチなんだから、ノブオについて地元と喧嘩するさぁ!』

俺『マジで言ってんの


ショウちゃん『当たり前じゃん。だいたい宮の頭とかなんて俺らの知らねーとこで勝手にきめてるだけんじゃん!俺は前から気に入らなかったね!


俺『宮の街中敵にまわして喧嘩するつもりか


ショウちゃん『まあ、結果的にはそうなるかな?(笑)燃えるぜ


嗚呼…こんなイケイケなダチに相談した俺が馬鹿だった

すっかりその気になってしまったショウちゃんをなだめて家に帰った。


いよいよ困った
2011-01-22

第569夜 いやー!やったな!

見た?

カタール戦

いい試合だったな

ついに香川爆発したね~

長谷部も凄いな


久しぶりに面白かった。

いい夜だ
2011-01-21

第568夜 『悪魔を憐れむ歌』編.48 とっちん宅にて

とっちんは幼なじみなので、家はけっこう近い。
15分位してとっちん宅についた。
家にあがるのは小学校以来だった。


ガレージに愛用の真っ黒なナナハンが停めてある。

玄関あがると、とっちんの部屋に入った。

ちなみに、とっちんの家はかなり裕福だ。

部屋にはおおよそないものがない

久しぶりに会ったとっちんは、なんとかなりのチーマースタイルだった

かなり予想外だったが、静岡の高校に通っていたから向こうのチームの仲間がいてもおかしくはない。


とっちんはソファに腰をおろすと部屋の冷蔵庫からジュースを出してくれた。

とっちんは外人のようなイケメンである


とっちん『本当に久しぶりじゃん!どうした~?


俺『実はさ、とっちん…“新谷のスウ“って知ってる?』


とっちん『…スウ?

みるみるとっちんの顔が凶暴さを増した


とっちん『お前こそ、なんでそいつ知ってんだ?


俺『実はさ…友達なんだよ


とっちん『お前と…そいつが?』


俺『ああ、だからさ、喧嘩しねーでほしいんだよ。』


とっちん『……』


俺『お願い


とっちん『…ダメだな。』


俺『なんで


とっちん『昨日さ、俺がいねー時に、スウって名乗る奴から電話あってよ。お袋が出たんだけど、“テメーの息子殺すからな“って言って切りやがったらしいんだわ


バ…バカな

スウがそんな電話する訳ない

およそ跳ね上がったチームの誰かがスウの名前語って電話してきたに違いない


俺『ちょっとそんなのなんかの間違いだよスウがそんなことするわけない


とっちん『ま、それが誰だってかまわねーんだけど、東京のチームが静岡なめてる事にはかわりねーだろ?』


俺『そりゃあ…だけどアイツらは本気でヤバいよ。数だって50は下らない。』


とっちん『それならこっちもそれくらい揃えるまでだよ。ジャイは完全にやる気だし、カツや西藤も怒ってる。中山のシーには族関係まとめさせるし。』


ジャイってのはとっちんの親衛隊みたいにしてるジャイアンの事、カツはヨンチュー四天王の一人、西藤は隣の中学の頭だった男、そしてシーってのは俺も仲のよかったKという暴走族の二代目頭、中山のシーちゃんの事だ。
このメンツはハッタリではない本当に喧嘩の出来る面々だ!
しかもその周りにいる仲間となるとまだまだ有名な不良が集まってくる
これは本気だ!


俺は何とか説得しようとした。


俺『確かにすげー面々だけど、とっちん一人の時に襲われたらどうすんだよ


とっちん『大丈夫だよ。DIVA。心配すんなって(笑)10人までなら俺一人でも負けやしねぇ。』


(……こりゃあ止まんねーこのままじゃ本当に東京と戦争になっちまう)


何時間も説得したけど、とっちんはかなり頭に血が上っているみたいで話にならなかった。

その日は何の進展もなく帰らざるえなかった
2011-01-20

第567夜 『悪魔を憐れむ歌』編.47 和解工作開始

しかし和解工作といいましても…そんな事やったことねーし

そもそも俺だって、崩す話は好きだけどまとめる話は苦手なんだから…

なんにしても俺もまだ事情がよくわからんので、とりあえずノブオに電話して事情を聞いてみたが、都合のいいようにしか言わない。
しかもその話が他のメンバーにもすでに知れ渡っていて、盛り上がってしまっているらしい

ヤバいな~。


次はとっちんに連絡をとってみようと思い、電話した。

俺『もしもし。久しぶり。俺、DIVAだけど、ちょっと話したい事あんだけど、家に行っていいかい?』


とっちん『お!DIVA?久しぶりじゃ~ん!今から?』


俺『うん、今から。急用なんだよ。』


とっちん『別にいいけど。どうした?』


俺『行ってから話す。すぐに行くから。』


そして俺はすぐにとっちんの家に向かった。

とっちんは俺とスウのつながりを知らない。

それを知ったらいったいどう思うだろうか?
2011-01-20

第566夜 『悪魔を憐れむ歌』編.46 スウの電話

スウ『お前の耳にも入ってると思うけど、そっちでノブオの奴が地元の奴ともめたらしいじゃん?』

俺『そうらしいね。でも話し聞くとノブオが悪いじゃん。』

スウ『まあ、どっちが良いか悪いかなんてどうでも良いけど、ノブオがそいつらに俺の名前出したみたいさ。』


な、な、なんてことを!

スウ『そんでその“とっちん“とかいうやつが俺もやってやるから連れてこいとか言ってるらしいんだわ…ククク


いったいどこでどうそんな話になったのか分からないけど、推測するに“とっちん“の怒りにビビったノブオはついスウの名前を出してしまったんだろう。

それは絶対にやってはいけない事なのに


スウ『んで、そいつ強いの?』


スウは完全にとっちんに興味を抱いてしまっていた
ヤバい!正直に言ってしまえば必ずスウは宮にやってくる!


しかし、嘘をつくのは気が引けた。
とっちんにも、スウにも…


俺『強いよ…』


スウ『マジか!俺より強いか?』


俺『…スウより強いかわからないけど、間違いなく強いよ。まわりにいる奴らも相当なもんだよ。』


俺も言わんでもいいことまでいってしまった。

だけど、少し俺の地元をスウにナメられたくない気持ちもあった。


スウ『よっしゃ!分かった今週末くれーに、50っくれー連れてお前の地元に喧嘩しにいくわ


なんですと


俺『ちょ、ちょっとまったースウ一人でくるんじゃねーのかよ!』


スウ『最近よ~、なかなか相手なるチームもなくてみんな退屈してんだわ。俺的にはめんどくせーんだけど、たまにはガス抜きさせねーとな。
あー、やだやだ。チームの頭なんてめんどくせーもんやるもんじゃねーや(笑)』


俺『…。』


スウ『つーワケで、お前には悪いんだけど、静岡潰させてもらうわ。』


俺『ちょっと待ってくれよ!スウ!それじゃあ俺の立場がねーよ!とっちんだって幼なじみなんだから!』


スウ『悪いけど聞けねーな。お前も良く知ってる通り、俺はナメられんのは我慢できねーんだよ。』


えらいこっちゃー
えらいこっちゃー


俺『スウ、頼むから来週まで待ってくれ!俺に免じて来週までチームを動かさないでくれ!お願いm(_ _)m』

スウ『来週まで?どうすんだよ?』

俺『こんなの誤解だと思う。何とか俺が動いてスウもとっちんも納得いくようにケリつけるから』

スウ『来週までねぇ…』

俺はひたすらスウにお願いした。

スウ『分かった。じゃあ来週いっぱいまで待ってやるよ。お前に免じてな』


俺『ありがとう!ありがとー!』


電話を切ると俺はこん時ばかりは腹をくくらざるえなかった。
下手うったら東京と静岡の大抗争になってしまう!

スウなら必ず来る!

そしてとっちんなら必ず一歩も退かず迎え撃つだろう。

下手したらほんとに一人や二人くらい人が死ぬ。

こっからの一週間、すべて放り出してでも…
大袈裟に言えばこの命がけでも止めなきゃならない!

一歩間違えれば新谷と宮、大局的に言えば東京と静岡の大抗争…


しかも俺の友達同士で。

当時の俺にはこれ以上ない程の深刻な大問題であった。

2011-01-19

第565夜 『悪魔を憐れむ歌』編.45 小さなヒダネ

スウの率いるチームはスウのカリスマと凶暴さゆえにさらなる拡大を続けた。
この頃メンバーは50人を超えていたと思う。
正確にはわからないけど。

そして高校二年生の冬、久しぶりにノブオが静岡に帰郷してきた。

まあ、ただの里帰りだったんだけどこのトラブルメーカーはじっとしていられない性格なので、少しオイタをした。

軽い気持ちで中学の同級生の女の子に電話をし、しつこく迫った。
朝から晩まで電話を繰り返し、ノイローゼ気味に追い込まれた女の子は同じ中学(俺とノブオも一緒)で俺の幼なじみの一人である『とっちん』に相談した。

とっちんはウチの中学最強の男でヨンチュー四天王の一人であり人望、強さ共に間違いなくNo.1だった。
幼い頃から俺と同じ空手道場に通っていたが、俺が入門した時にはすでに黒帯で小学生ながら大人と組み手をしていた。

出場した大会はことごとく優勝し、中学二年の時には世界大会!に出場を推薦されるほどの強さだったが結局不良化してやめてしまった。

高校は宮から静岡の高校まで通っていたんだけど、入学式の時にはすでに『宮の若木とっちん』といえば静岡にも名前が届いていたほどである。

宮にあった暴走族の頭たちもとっちんの言う事は聞いたし各高校の頭もとっちんには逆らう事はなかった。

しかもこのとっちんという男はものすげー男気があるので女の子が困って相談にきたらほうっておくわけがない。

直ちにNo.2の通称『ジャイアン』を連れてノブオの実家を襲った!

ちなみにジャイアンも身長185cm体重130kg、後のインターハイ柔道重量級で準優勝した剛の者である

この襲撃にビビったノブオはベットの下に身を隠して難を逃れた

そして数日後、俺の家にスウから直接電話がかかってきた。

スウ『お!DIVA?ちょっと聞きてー事たんだけど。』


俺はとてつもなく嫌な予感がした
2011-01-18

第564夜『悪魔を憐れむ歌』編.44 私事ながら

高校二年生の俺の一年間はホントに濃密だった。
地元では他校のヤンキーに狙われて、毎日のように「ラブレター」が届いた

いや、毎日はちょっと大袈裟だったか(笑)

曰わく
『殺す』だの
『さらう』だの(笑)

まあ、ほとんどタダの脅しか、来ても大勢で袋くらいだけどね

しかし、よっぽど嫌われてたんだろーな


ちなみに当時の不良ヤンキーはタイマンなんぞほとんどやらないです。

特にヒラルキーが上がってくると、まずタイマンはしない。
だって本音で言えばみんな痛いの嫌いだし、万が一負けたら今まで築いてきた地位は転がるように転落してくしね。

喧嘩なんてよっぽどの実力差がない限りどっちが勝かなんてまさに時の運だもん。

そんで高校生くれーの体力なんて真面目な子もヤンキーもさほど変わりはしない。

だからお互いに地位が上がってくると登場するのが『名刺ジャンケン』である。


よく聞くでしょ?

『俺は組のナントカさん知ってんだぞ!』

とかさ(笑)

それで相手が引けばそこで終わり。

または

『テメーどこ中出身だよ!?』

と凄む

『そういうテメーはどこ中だよ!?』

『ああ!?ヨンチュー!?じゃあ、×先輩しってんのかよ!』


などと、お互いに共通の知人を探り出し、『落としどころ』を見つけるわけだ。

そうすればお互いに

『やれば俺の方が強いけど、知り合いの後輩なら喧嘩するわけにはいかない。』

と喧嘩しない理由を見つける事ができるからね。

まーったくくだらないね

20年経っても思い出して腹たつのはさ、

『俺はN高校だからS高のお前より強い』

とか、

高のくせに!』

とか勘違いしてるバカね。

学校やチームの看板でしか粋がれないバカはドコにでもおるよね。

そりゃあ名前出せって言われたら街のリーサルウエポンみたいな先輩達やヨタなおっちゃんの名前出せるけどさ、

出したことないよ。


俺は別に喧嘩強いわけじゃないし、とんでもないムチャクチャする性格でもないけどさ、皆さん知ってるようにムチャクチャしつこいので何十年経っても勝つまでやりますよ


それしかとりえねーし。

ま、誰でも、そして何事も心が折れない限り絶対に人は“負けない“
のであるよ
2011-01-18

第563夜『悪魔を憐れむ歌』編.43 リーダー就任

そういえば時間的に前後してしまうけど、このちょっと前にスウは前のリーダーからチームを引き継いでいた。


前のリーダーの高城さんは去年あたりにはもう新谷に出てくる事が少なくなっていたんだけど、アメリカだかイギリスだかの大学に行くために正式にチームをスウに渡し自らは引退した。


俺的には不良の頭が大学!?しかも外国の!?

ってだけで凄いカルチャーショックだったけど、後輩達や後の世代の人達は分からないけど、この頃のチームのメンバー達は意外と裕福な家の子息が多くて頭も良かった気がする。

リーダーは大学病院の先生の息子だったし、松山は商社の跡継ぎの息子、クニなんぞ警察官僚の息子だった(笑)


大検持ってるやつも多かったし、何を隠そうスウが大検受かってるのにはビックリした


俺はそれまで家庭環境がや学校環境が少年少女に与える影響は多大だと思っていた。
要するに荒れた環境にいる人間程、不良としては強くなるのではないかと。

しかし、スウはそういった考え事態を否定してこう言っていた。

『俺達はさ、ただカッコつけたくて、粋がりたくて不良やってるワケよ。自分自身がカッコつけたい理由を両親がいないだとか、家庭環境が悪いからだとか、まわりのせいにするんじゃねぇ。俺はそういう自分の生き方を他人やまわりの環境のせいにするヤツは虫ずが走るほど嫌いだし、くだらねーと思ってるよ。』

若干いびつな感じもするけど、その考えには俺もショックを受けて少なからず共感した。


そしてスウはそういう奴らを心底嫌っていた。さびしいから不良になったなんてのはくだらねーカッコ悪い言い訳だと笑った。


それからスウは暴走族やチンピラ、パンチや旧世代の不良スタイルを嫌っていた。
コレはもはや嫌っているというより“憎悪している“
に近いかもしれない。

そのワケは彼の過去や生い立ちに起因するのだけどその話しは後にゆずろう(もし、書けたなら)

スウは高城さんには一目置いていたし、高城さんはチームを任せるのはスウしかいないと公言していた。



とにかくチームは遂に満場一致でスウのチームになったのでかる。

しかし、まだ『デスペラード』という名前はない。
2011-01-16

第562編 『悪魔を憐れむ歌』編.42 ジャパニーズドゲザ

もう勝負は決まっていた。
相手方の外国人不良の中で抜群に強いであろう巨人兵すらまったく問題にしないスウの底知れない強さに彼らは震え上がってしまった。

追い討ちをかけるようにイダが阿吽の呼吸でブスリとやって決定的となった。

残りの奴らはもうブルガクで話しにならない。

そりゃあ、立場が変わって想像してみればそうだよな

ものすごく強いと思ってた巨人な仲間があっさりチンチンにされた上、目玉とびだして転がってんだから

それから倒れてる巨人兵を残りの奴らに担がせ、全員を表通りに連れて行った。


スウは伸びている巨人兵を道端に転がし、他を正座させた。

大都会、八本木のメインストリートである。
すぐに人山のくろだかりになった。


何十人の野次馬に囲まれて俺達は正座させた外国人不良の前に立った。

地元の不良少年らしきやつが話しかけてきた。

『君らがあの巨人兵をやったの


俺『俺達つーか、あいつ一人でだよ(笑)』

地元不良『マジであいつを一人であいつ、超凶暴で激強なんで、好き勝手に暴れて誰も手をだせなかったんだよ

俺『そうなんだ?でも見た通り、スウにフルボッコにされたがら大人しくなるんじゃない?』

俺はさもたいしたことなさそうにワザと余裕ぶっこいていた

地元不良『すげー

なんか少し誇らしかった。


外国人不良達は震えながら

『ゴメンナサイゴメンナサイ…』

と繰り返している。

スウは言った


『日本来たら、謝る時は土下座な
分かるか?“ジャパニーズドゲザ“!』

あ然としながら聞く彼らはやっと意味がわかったのかいっせいに土下座した。

そしたらまわりの野次馬達から歓声があがった。

『すげぇーぞーにいちゃんら

『かっこいいー

『ザマーミロ外人

コイツらこの辺じゃよっぽど質が悪かったんだろう。

背中に声援を受けながら、興奮と快感を感じながら、それでもスウを見ながら俺は思った。


最強の男、スウ。

お前は俺達仲間の……
いや、もっと大袈裟に言えば



お前は『国の誇りだ』

と。


そして、スウの異次元の強さは男なら例外なく痺れさせ問答無用で憧れさせる…

スウを見て血がたぎらないような奴は男じゃない。

よく聞けよ!

争いを好まない腐れ草食男子ども!

この光景を間近で見て、血がたぎらねーような奴は『男』じゃねーんだよ!
わかるか?カマ野郎共


まあ、俺も見学してただけだけどな(笑)
2011-01-16

第561夜 『悪魔を憐れむ歌』編.41 悪魔降臨

巨人兵は上着脱いで仲間に手渡すとファイティングポーズをとった。

かなり喧嘩慣れしてそうだ。

今考えるとプライドなんかで良くみる総合格闘家なんかのスタイルに似ていた。
きっとなんかの格闘技の心得があったのかもしれない。

それにしてもデカい。

190cmはあるスウよりも上にも横にも一回りもふた周りもデカく見える。
スウはこんなでかい相手にどうやって喧嘩するんだろうか…

その場にいるみんなが緊張で息が出来なくなりそうだった


巨人兵が先に殴りかかった

スウは顔に一撃食らったが倒れず、巨人兵の顔面を殴り返した

巨人兵はたまらず後ろによろけた。

そして続けざまにスウのフルスイングのダイナマイトパンチが巨人兵の顔面に叩き込まれた

巨人兵は転がり倒れた!

そして俺は見た

なんとスウのパンチを食らった巨人兵は左目が半分飛び出してしまっていた


スウは大笑いしながら動かない巨人兵の片目飛び出た顔面を蹴り上げた
コイツは完全に狂っている!

私の友達は完全に狂っているのです!

怖い…本当に怖い


外国人不良達はさっきまでの余裕などまったくどこかへ吹き飛んで蒼白な顔で動けない。

というか、俺たち仲間でもおっかなくて止めに入れなかった。

巨人兵はもうぼろ雑巾のようになっていた


そしたら突然


AHHHHOWWっ~


という凄い絶叫が俺の前でした。

俺は何がおこったか分からず、ビックリした


例のマッドブルが倒れて足を押さえている。

イダがマッドブル言った

『テメー喧嘩の最中にどこみてんだよ!


マッドブルの足の付け根あたりにイダのナイフが突き刺さっていた


いきなりソレかよ!

しかし、その絶叫が結果的にスウを正気に戻した。


スウがこちらにかえってきた。

スウ『ダメだ~。あのデカブツ期待外れだわ

もういつもの明るいスウだったけど、俺達は少しの間、目を見ることができなかった…
2011-01-15

第560夜 『悪魔を憐れむ歌』編.40 タイマン決戦

まったまった

ヤバい…

いくらな何でも素手で勝てる気がしねぇ


とりあえず誰か交代してくんねーかとチラチラ見てた。

いやー、しかし外国の人はみんな発育がよいね!
みんなデッカくて強そうだや~

トホホ…

変わってくれなんてこの状況じゃ言えねーや

なんて思ってたらスウが口を開いた。

スウ『お~、イダ~。6対6なんてメンドクセーよ。あっちのデケーのと俺がタイマンでいいべー?』


さすが!スウ!えらい!ナイスな提案!

イダ『だけどよー!スウ!』

スウ『うるせーよ。イダ。あのデカブツ気に入らねーから俺がやる。』

そーだ!うるせーぞ!イダ!
スウの好きにさせてやれ


イダ『分かった…』


スウ『よう!意味わかるか?ゲージン!俺とオマエ、タイマンな!』

スウはジェスチャーで伝えた。

相手も完全に雰囲気で察知していた。

外国人不良の一人がカタコトの日本語でにやけ顔で言った。
『アナタ、シンジャイマスヨー』


妙に丁寧な日本語がよりムカつく。


それを遮るように巨人兵が前に出た。

場が一気に緊張した。


そしてついにはじまった。
2011-01-15

第559夜 『悪魔を憐れむ歌』編.39 日外決戦勃発!

すぐにちょうど手頃な空き地が見つかった。
ビルとビルの間を入っていくと工事中のビルの空き地みたいな所にでた。
そこであらためて向き合った。

向こうは一人少なくなっていてちょうど6人どうしになっていた。

たぶん人が来ないように入り口の方で見張りでもしてたのかも知れないか。

イダが切り出した。


『よう!ゲージン!ちょうど6対6なんだからよ!一人っつタイマンしようじゃねーか!分かるか?タイマン!』

それを聞いた外国人不良達は意味が分かったのか大笑いしながら何語か分からん言葉で話し合った。

外人の小馬鹿にした笑いとはなんであんなにムカつくんだろう?

意味は分からんが、俺には

(何タイマンなんて言ってんだ!?このちびっこいサル達は?鼻くそ弱いジャパニーズ共は金を出せばいいんだよ!どうせすぐ小便漏らして許しをこうんだろ?おメーラは俺たちのファッキンなブツをしゃぶらせてケツにぶち込んでやるぜ!カマ野郎!)


と言ってる気がした(笑)
もうそのムカつく笑い方見てたら怒りのあまり恐怖も吹っ飛んだ。

やってやろうじゃねーか!


俺ね相手は誰だ!

さっきの2m巨人兵はスウにまかせた!

松山はぶん殴ったやつとやるだろう。

後は各々自分の目の前のヤツだ!

誰でもかかってきやがれ!


俺の前にいるのは…





巨人兵程ではないけど身長が185くらいありそうな漫画のマッドブルみたいゴリラだった…




あの~やっぱりちょっと待ってくださいます?
2011-01-14

第558夜 『悪魔を憐れむ歌』編.38 日本男児の意地

まあ、何にしても度胆を抜かれた

一団の中にデケーのなんのって、マジで2mはある巨人兵がいたんだから!
体重だって130㎏はあるだろう…

服の上からでも一目で鍛え抜かれたボディーだと分かる。


そしてコイツが明らかにこの外国人不良集団のボスだともわかる。
おそらく、クラブのバウンサー(用心棒)かなんかだろう。
はちきれんばかりのスーツ姿で怒鳴り散らしてきた

いちばん近いイメージだと、K-1の往年の名選手、レイ・セフォーを凶悪な顔つきにしてバカでかくした感じ

そいつが来た途端、外国人不良達の余裕の表情と言ったら…

でも、こっちだって日本男児である!(こんな時ばかりは)

よその国の不良に地元でなめられるわけにはいかない

と、言ってもさすがに俺は焦っていたけどね


そしたら周りに野次馬達が集まりはじめた。

ここまでくるといつもの問答無用のゴチャマンなんかやったらすぐにお縄になってしまう

松山が切り出した。

『おい!ゲージン!場所帰るから着いてこいよ!』

とジェスチャーをしながら

『カモン!カモン!』

と誘った。

この辺の雰囲気はバンコク共通なんだろうね(笑)
外国人不良達も

『OK!OK!』

みたいな感じでついてきた。

合わせて10人程の異様な多国籍軍は八本木の裏路地に向かうのだった。
2011-01-13

第557夜 『悪魔を憐れむ歌』編.37 不良外国人

その日はスウ、イダ、クニ、ノブオ、俺、松山の6人で八本木に繰り出した。

八本木は外国人が多くて、黒人や白人も普通に闊歩しているような街だった。
同時はなんか『大人な街』ってきがしたもんだった。

目的はクニの友達がバイトをしている『JK』という『クラブ』だった。
もちろんキャバクラじゃない方の。

車を路駐して6人で話しながら歩いていたら何かブラジル人風?の外人と松山が肩をぶつけた。

松山『前見て歩けや外人

みたいこと言った気がする。


そしたらその外人はなかなかイケイケで何語かわからん言葉で文句を言い返した。

その瞬間、松山はそいつを殴り倒したのだった。
松山『日本来たら日本語しゃべれや

松山が啖呵をきったらその外人の仲間が怒声を放ちながら集まって来た

最初のやつを入れて7人になったんだけど、その中になんと!
年の頃二十代中盤とおぼしき身長2mはあろうかというやたらマッチョなスーツ姿の男がいた
2011-01-13

第556夜 『悪魔を憐れむ歌』編.36 八本木へ

高校生最初の一年が終わろうとする春休み、ちょっとだけ上京した。

短い春休み、ダブらない為の補習で時間が無いのと金がないので2日遊びに行っただけだった。


そん時はこれといった話しはない。スウ達と5~6人で朝方まで飲みに行った。
トラブルも無く楽しく飲んだ

今思えば、あん頃が一番楽しかった気がするなぁ

これ以降、チームはだんだん体質を変えていった。
まあ、そういう時期に来ていたんだろうけどさ。

そして高校二年生になり、更に加速して行く彼らの青春に巻き込まれ、少しは巻き込まれたくもあって新谷に行くのである(笑)


高校生二年生の夏休み、俺は今でも忘れないスウの姿に出会う事になる。
俺の中の伝説の出来事の一つ。

場所は八本木であった。

2011-01-12

第555夜 『悪魔を憐れむ歌』編.35 帰郷して

そんなこんなで何とか帰郷したけど、相変わらず地元は退屈だった。

なんとな~く毎日が過ぎて行く。

やっぱりさ、若者は刺激に憧れるたよね


結局次の春休みまで上京は待たなくてはならなかった
金もねーし

ノブオからは電話ちょくちょく近況を聞かされた。

その話を聞いているだけで、もう上京したくて仕方なかった。

そうだ!

一つ思い出した事がある。
ちょっと記憶が曖昧だけど、こん時¨チーマー¨が社会問題になっていた。

新谷をはじめとして日本各地で増殖をしていた。
日本不良少年史において(←なんだそりゃあ(笑)

それまで王道であった暴走族が影を潜め、チーマーが跳梁跋扈しはじめたのだった。

特に首都圏においての勢力、凶暴性は凄まじく、一般人なども見境なしに襲うチームもあった

一般社会はアウトロー同士でやり合っているうちはたいして気にもしない。
だけど一般人に危害がくわわるようになったら話は別だ。

毎日のようにニュースになり、日本中にチーマーの存在を知らしめた。


ある日夜に夜食のラーメンを食ってたら妹が呼びにきた。

妹『お兄ちゃん、テレビにチーマーの人たちが出てるけど、お兄ちゃんの友達じゃない?』

もちろん妹はスウやイダなど知らないけど、チーマー=お兄の友達と思ったのだろう。


んなワケねーだろ
いったい都内に何千人のチーマーがいると思ってんだよ(笑)

ラーメン食いながらテレビ見に行くと、ビートたけしが出演している『警察24時』みたいな番組(うろ覚え)でチーマー問題について取り上げられていた。

画面では数人の男が相手チームをボコボコにしていた

一人は看板を振り回してガンガンぶん殴ってた。


あれ?



イダー

さらにスウもいた


モザイクかけられてるけど間違いない!

俺、思わずラーメン吹き出してしまった

ナレーションが『チーム同士の間でも恐れられる凶暴極まりないチームA』と謳っていた

相変わらず暴れまわっているようだった。
2011-01-12

第554夜 『悪魔を憐れむ歌』編.34 チャンピオンクラス?

みんなでハンバーガー食いながらだべってたら、スウが立ち上がって奥に吊してあるサンドバックをガスガスと殴りはじめた

皮製のジムとかにあるのと同じ本格的なやつだ。
軽く殴っているようだけど良い音がする。

そこで俺はイダやクニや松山達に聞いてみた。

俺『スウってさ、まあチームで一番強いんだろうけど、どんくれー強いの?』

我ながらおかしな質問だ


イダ『どんくれーって、お前。あいつに勝てるやつなんていると思う?


ちなみに、チームには暴走族なんかと違ってあんまり順位はない。
リーダー以外は大抵横一列だった。

が、やっぱり強い弱いはあるから自然と中心的な人間ってのは分かってくる。

ちなみにスウのチームで後々までスウに次いで肉体的にも狂気でも強いと俺が思ってたのはイダだった。


俺『へー!イダよりも全然強いの?』

ちと失礼な言い方だったが、イダは気にもせず答えた。



イダ『ったりめーだろ。あんな悪魔みたいに強い奴にどうやって勝てるんだよ?』


俺『武器もったら?』

イダ『ナイフくれーじゃやだね!』

後に『人斬りイダ』のナイフさばきをみたが、そのイダがナイフもっても喧嘩したくないという。

イダ『だいたい考えてもみろよ。ナイフ刺したくらいであのモンスターが死ぬか?(笑)』


確かに…

俺『じゃあ何だったら喧嘩できんのよ?』

イダ『うーん…やっぱりチャカ(拳銃)?でもハズしたら地獄だしな…マシンガンか…さもなきゃゴルゴに頼んでビルの上からズドンくらいしか打つ手がねーや(笑)』


いくら何でもそこまで強くねーだろ?


そう思った俺はサンドバック叩いているスウの所に行って話した。

俺『ねえ、スウ。一度さ、思いっきりサンドバック殴ってみてよ


スウ『思いっきり?』

俺『うん、全力で

スウ『いーよ


そしてスウは思いっきりサンドバックを殴った


ズドン


そしたらさ!
皮製のサンドバックがだよ!
縦に跳ね上がったさ

これは本当の話


俺はマジでたまげた

ずっと後になるけど、プロボクサーだった従兄に聞いた話なんだけど、従兄はプロボクサーの中でもパンチ力のあるハードパンチャーとして売っていた。

その従兄がジムの事でマイク・タイソンが来日して東京ドームで試合した時に手伝いにいったんだと。

タイソンの試合までいろんなジムのプロの人らがサンドバックとかで練習していた。

サンドバックって叩いてみると分かるんだけど思いっきり叩いてもほんの少し揺れる程度だ。

プロボクサーの人達だってそんな変わらない。

んで、パンチに自信あった従兄がサンドバックを叩きはじめた

従兄が殴るとサンドバックがユッサユッサ揺れるもんだから周りのボクサー達はけっこう驚いた。

『お!あいつパンチあるなぁ!』

って。

そしたらさ、なんと!普段試合前の練習なんかしないタイソンが練習するのにフラリと現れた。


マイク・タイソンといえばさ、ボクシング150年の歴史の中で現在にいたるまでロッキー・マルシアノ、モハメッド・アリと並んでヘビー級史上最強といわれるチャンピオンである。

会場中のボクサー達が練習を見たくて手を止めて見学に来た。

そんでサンドバックの前に立つと伝説の拳いわゆる『ダイナマイト・パンチ』を放ったのだ。


ズドン

サンドバックが縦に跳ね上がったそうだ。

従兄曰わく


『あんなのみたことないあんなパンチ食らったら死んじゃうと思ったよ!

そんな光景が今まさに目の前で展開されたのだ

スウのパンチはヘビー級世界王者と同等だとでもいうのだろうか?

信じられる?
信じらんないら?
信じらんなくても当たり前だと思う。

だって、目の前で見た俺が、今でも夢だったんじゃないか…と疑う程なんだから…
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DIVA KEV

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